UHM libraries
japan collection

Asia Collection HomeUHM Library Home | University of Hawaii Home

Home
New Acquisitions
Online Resources
Special Collections
> Sakamaki/Hawley Collection
> "Hawley and His Bookseals"
Company Histories (shashi)
Periodicals
Newspapers
E-journals
CD-ROMs
Articles
 
voyager
  "Hawley and His Bookseals"


 

宝玲文庫の蔵書印について
横山 學

[English]

 古書を手にするとき、書物の内容、書物の体裁・刊記・書き入れ・蔵印等から思いをめぐらすことはいつもながら楽しい作業です。刷り版が重ねられたものであるとか、摺り目が美しく浮き出ているものであることなど。これらから、一体どれほど多くの人が読みふけったのだろうと想うのです。また、文中の書き入れや旧蔵者の蔵書印を見ては、どんな人の手を経て今日ここに至ったのだろうかと考えます。そして本の手摺れ、とじ糸のとじ直しや虫食いの補修跡を見ては、旧蔵者がいかに気を配り大切に所蔵していたかを察するのであります。

 フランク・ホーレーの蔵書には、稀書が多いのです。それはホーレーが関心を向けた方面のすべての書物を、売値にかまわず収集したことによります。同じ標題の書物でも、刊記や体裁、系統が異なっている場合は、それらを可能な限り多く所蔵していてくれたことは、研究を進めるうえで極めてありがたいことなのです。刊本の場合、摺りの良い、初摺りに近い物が比較的多く集められ、さらに、書物が売りに出された際の包み表紙(摺物)まで保存きれている物さえあります。このように質の良い書物を集めたことに加えて、ホーレー氏の保存や取扱いがいかに入念であったかを、その書物を実際に手にすることで膚に感ぜられます。宝玲文庫の書物のなかで、特徴的に見うけられる藍色麻布や木綿布の本帙は、ホーレーがある人物に特注して作らせた物で、補修も丁寧で怠たりがありませんでした。

 宝玲文庫本には数々の蔵書印が見出されますが、これらは次の三つに大別出来ます。

   (1)ホーレー以前の旧蔵者を示す蔵書印。
   (2)ホーレーに至る間に仲介した古書籍商の印。
   (3)ホーレー自身の蔵書印。

 ホーレーが所蔵する前の旧蔵者の印を見てゆくと、いわゆる著名な人のものが数多く見うけられます。例えば、今手元にある「中山傳信録物産考」には、「不忍文庫」「阿波国文庫」の蔵書印(朱)がありますが、これは国学者であった屋代弘賢の旧蔵を意味します。また、「御膳本草」(ごぜんほんぞう)という書物には、「中城御殿」(なかぐすくおどん)と刻された少し大型の朱印が押されています。これは琉球国王家中城王子の旧蔵を示しています。この他、狩野掖斎、榊原篁洲、渡辺霞亭、伊藤圭介等々の旧蔵を示す蔵書印の数々を認め得るのです。

 次に、ホーレー氏がよく利用した古書籍商に反町弘文荘がいます。その反町の手を経た事を示す印として「月明荘」の印があります。これは反町茂雄が稀書善本であることを認めた書物にのみ押印されたと聞いています。

 ホーレー自身は蔵書印として「宝玲文庫」を用いています。彼は4種の蔵書印を所有していました。印文には三種(漢字階書体と漢字草書体、仮名草書体)、しかもそれを朱印と墨印との使い分けをしています。当初、ホーレー氏は書物を大切に思う故に自分の書物に蔵書印を押すことを嫌っていましたが、友人のグーリック博士(Dr.Robert van Gulik、後にオランダ駐日大使)に勧められて押印するようになりました。また、蔵書印の印文と書庫の上部に掲げられていた「宝玲文庫」の篇額の文字は、そのグーリック博士の手になる物であります。(01/24/2000)
 
 

Go to top of the page


Contact: Tokiko Yamamoto Bazzell
Japan Specialist Librarian
e-mail: tokiko@hawaii.edu
Asia Collection, University of Hawaii at Manoa Library
2550 The Mall, Honolulu, HI 96822 U.S.A.